障害者総合支援法と介護保険法｜東京都自立生活センター協議会（TIL)

■ イベント報告 EVENET　REPORT

平成28年度第3回TIL学習会「障害者総合支援法と介護保険法」

事業名称	TIL学習会「障害者総合支援法と介護保険法」
実施日	平成28年8月30日（火）
実施場所	八王子生涯学習センター（クリエイトホール）　10階　第2学習室
参加者	46人

1. 目的

　障害者は通常、障害者自立支援法に基づくサービスを利用して暮らしていますが、65歳になると介護保険制度を優先して利用するようにさせる仕組みがあります。これによって受けるサービスの量が減ったり、新たな費用負担が発生したりすることがあり、「65歳問題」などと呼ばれています。
　そこで今回は、藤岡毅弁護士をお招きして二つの制度の関係についてお話頂くとともに、今後この問題にどのように取り組んでいったらよいかを考えました。

2. プログラム

(1) 講演「障害者総合支援法と介護保険法‐障害者の人権保障と65歳問題‐」

　藤岡毅弁護士は、障害者の介護保障を専門とする弁護士です。講演の概要は以下の通りでした。

①日本国憲法、障害者権利条約、障害者基本法など、障害者の人権保障の上で根拠となる法律等を概説。
②「65歳問題」の元凶となっている「介護保険優先原則」について解説し、これによって引き起こされる被害例を具体的に説明。その後、障害福祉と介護保険という二つの制度は相容れないこと、保険優先原理にも論理必然性がないことを説明。
③今後の方向性としては、総合福祉部会の骨格提言の法制化が必要であり、障害福祉と介護保険が統合されてしまったら障害者の自立生活の権利は崩壊する、という危機感を表明。

(2) 質疑応答

　市町村における具体的なやり取りについての質問が相次ぎました。質疑応答の時間だけでは足りず、後日個別に相談の約束を取り付ける参加者も複数いました。