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TILは東京都内の自立生活センターの支援および一般社会に向けた活動、研究・政策提言をします。

TEL. 042-540-1844

〒192-0065東京都八王子市新町2-5コスモリード八王子2F-15

■ イベント報告     EVENT REPORT

 
           松田純氏                       川口有美子氏
 
           堤愛子氏                       梶山紘平氏


事業名称 TIL学習会(DPI日本会議との共催)「新型コロナウイルスと『命の選別』」
実施日 令和2年7月16日(木)
実施場所 Zoom(オンライン会議システム)
参加者 60人

1. 目的

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、障害者や高齢者への治療が行われなかったり、後回しにされたりする事例が報告されている。ニューヨークでは、より治療効果のある人への人工呼吸器の付け直しが行われた。日本でも、人工呼吸器の配分に関する提言が出された。こうした「命の選別」を容認せざるを得ないとする動きに対して、私たちはどう対峙していったら良いのかを考える。

2. プログラム

(1)講演「新型コロナウイルスと『命の選別』」
 松田純氏が講演した。内容は概略以下の通り。
① トリアージとは何か:トリアージを「医療資源やスタッフを効率的に用いて出来るだけ多くの人を効果的に救済する」行為だと定義づけた。
② イタリアのトリアージと、それに対するドイツからの批判:新型コロナウイルス感染拡大期のイタリアで、高齢者から若い人に人工呼吸器を付け替えるという事態が発生。それに対してドイツからは、「命の価値を測って治療の優先順位を決めるのは論外」という批判が起きたことを紹介。
③ 逆トリアージ:トリアージの課題をBCPの枠組みの中に入れ、「苦渋の決断」を避けるために日ごろから前もって備えをしておくという「逆トリアージ」の考え方を紹介。
④ 優生思想:優生思想の歴史を振り返り、ナチスの「生きるに値しない生命の撲滅の解禁」を紹介。これとダーウィンの「何らかの過酷な理由によって共感を抑えるようにさせられた時、自分の性質のなかの最も高貴な部分が傷つく」という考え方を対比させた。

(2)パネルディスカッション「私たちは『命の選別』にいかに対峙すべきか」
 堤愛子氏がコーディネーターとなり、松田純氏、川口有美子氏、梶山紘平氏を交えてパネルディスカッションをした。最初に川口氏がアメリカの事例を紹介し、次に梶山氏が人工呼吸器ユーザーとしての自分の生活を紹介した。その後、リビング・ウィルやアドバンス・ケア・プランニング(ACP)についてディスカッションをした。

(3)質疑応答
人工呼吸器ユーザー当事者や医療関係者から質問が出た。当事者からは「優生思想からどのように身を守ったら良いか」という質問が出た。これに対しては「周囲の人たちに『生き残りたい』という意思表示をすべき」という回答があった。また他の参加者からも「私は生き残りたい」という意思表示が多数出た。





===以下、テキスト版イベント案内===


DPI日本会議・東京都自立生活センター協議会(TIL)共催  
オンライン学習会
新型コロナウイルスと「命の選別」

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、障害者や高齢者への治療が行われなかったり、後回しにされたりする事例が報告されています。ニューヨークでは、医療崩壊を避けるための「人工呼吸器配分ガイドライン」に従って、より治療効果のある人への人工呼吸器の付け直しが行われました。日本でも、医療崩壊を恐れた研究者により人工呼吸器の配分に関する提言が出され、学会や医療関係者の間で参照されようとしています。こうした「命の選別」を容認せざるを得ないとする動きに対して、私たちはどう対峙していったら良いのでしょうか。詳しい専門家をお招きして、皆さんと共に考えていきたいと思います。

日時:2020年7月16日(木)14:00~16:00(13:30開場)
場所:Zoom(オンライン会議システム)
*Zoomへのアクセス方法等については申し込み後にメールでご案内いたします。
後援:全国自立生活センター協議会(JIL)

プログラム:
(1)講演 「新型コロナウイルスと『命の選別』」 45分
松田 純 氏 (静岡大学大学院)
(2)パネルディスカッション 「私たちは『命の選別』にいかに対峙すべきか」 45分
コーディネーター:堤 愛子氏(町田ヒューマンネットワーク)
パネラー:松田 純 氏、梶山 紘平 氏
     川口 有美子 氏(ALS/MNDサポートセンターさくら会)
(3)質疑応答 30分

松田 純 (まつだ・じゅん)

静岡大学人文社会学部名誉教授。専攻は哲学・生命倫理学。著書に「安楽死・尊厳死の現在―最終段階の医療と自己決定」(中公新書,2018年)、「遺伝子技術の進展と人間の未来――ドイツ生命環境倫理学に学ぶ」(知泉書館,2005年)、「共生のリテラシー―環境の哲学と倫理」(共著,加藤尚武編,東北大学出版会,2001年)など。

参加申込締め切り:2020年7月10日(金)

*WEB参加申し込みフォーム 
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=de752e84aa9692f8
をご利用下さい。

連絡先:東京都自立生活センター協議会(TIL) 
電話:042-540-1844  
Eメール:til_jimukyoku@yahoo.co.jp


===テキスト版イベント案内ここまで===

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